新ひとりごととストーリー & くらぶの仲間たち


by toshirin_h
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第7話 「代打、やぶさん」

俺は「やぶさん」と呼ばれている。
人気のない弱小球団、北京ダックスの代打要員。マンガで
言うところの「あぶさん」みたいな役回りのわけだ。

最近はどうも不振だ。
昨日の試合もそうだった。9回表で3点差。1アウトラン
ナー1,2塁で一打逆転のチャンスだったのに、あえなく
セカンドゴロのゲッツーとは・・・次こそは絶対打ってや
る。くやしい気持ちでいっぱいだ。

チームは勢いがない。なんとかしないと・・・と思ってい
ると代打のコール、出番だ!。今日は、5点差ながらラン
ナー1塁。チャンスを広げる役割と来たもんだ。よし、
やってやる~。

勢い込んでバッターボックスへ入ったものの、相手ピッ
チャーは押さえの切り札、速球が160kmオーバーなん
て反則だろ? で、あえなく三振。この次は絶対打ってや
るぞ~!!!

負けず魂に火がついた。よし、早速猛練習だ。特訓だ。熱
血だぁ~~~。冴えない自分を吹き飛ばすかのように、闘
う気力がわき上がってきた。俺はやる気だ、俺はできる、
俺は打てるなど、呪文の様に言葉がぐるぐる頭の中を巡る。

と、不意になにかの点滅を感じた。目を凝らすと、目の前
にPCがあり。「プログラムD終了」の文字がフラッシュ
している・・・なんだ???

徐々に混濁していた意識がはっきりとしてきた。
俺は・・・いや、私はやぶさんなどではない。トップ球団、
薬天シークルーズの3番打者、キムハタだ。
球団のメンタルプログラムルームで、最近不振の俺に監督
が命じたのが、このプログラムDと呼ばれるメンタルド
ラッグってことだ。

もうそろそろ引退だな・・・。無理矢理作り出された、
幻のような気力が無ければ闘えない、醒めた自分を感じな
がら私は家路についた。
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by toshirin_h | 2005-05-13 20:44 | ストーリー