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新ひとりごととストーリー & くらぶの仲間たち


by toshirin_h
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第5話 「情報的生存の掟」

ついに、ここまで来た!!!。
もう誰にも追われることもない・・・。

俺は、名前を山下大五郎(もちろん仮名だ)というしがない探偵だ。
その日を生きるために、普通の依頼以外にも、ちとやばい情報の
売り買いをする事はあった。まあ、大した情報じゃないけどね。
でも、その時俺は、ちょっと欲張りすぎたんだ。

あれは三日前の午前2時ごろだった。
情報屋のトムから買った、あのネタがやばかったんだ。
ある巨大シンジケートの不正。聞くからにやばいだろ。
でも、その時の俺にはある勝算があったんだ。

コンピュータの自動処理によって、裏送金されるお金。
その送金先の口座に、5分間俺の架空口座をいれるだけの
はずだった。そして5分後には送金ログも含め、自動的に
証拠が消えるって寸法さ。

しかし、奴らは感づきやがった。というか俺の技術が未熟
だったのか? 奴らのコンピュータの防御シールドが展開され、
それに絡め取られている間に、自動照準電子ビームによる攻撃が
開始されてしまい、俺の PC は粉々に砕け散ってしまった・・・。

なんてこったい。やっぱりやばすぎたか。そうつぶやいているう
ちに、俺の体が崩壊していった。

俺の物理的な体と呼ばれる物質は、損傷を受けたが、そこは抜か
りはない。俺の全情報は既に電子化して、ネットに保存してある
からね。いつでも、そこから物質化して再構成できるのさ。

でも、奴らはしつこかった・・・。ネット内の俺の全情報を
消去するため、ハンタープログラムをまき散らした。
俺は逃げた。サーバーからサーバーへ、時には個人の PC で
休むこともあったが、そこは防御が極めて手薄だった。

俺は最終的に安全な場所を知っていた。だから焦ることはなかった。
ハンターらの目をかいくぐって、そこに辿り着けば、俺の勝ちなのだ。
そして俺は、ついに、ここまできた!!!
絶対安全。もう誰にも追われることもない。

もう大丈夫だ。このネットの終点スタンドアローン PC には、誰も
入ることができないのだ。もうネット接続を切ってしまったから、
俺も抜け出すことは二度とできないのだが。とにかく安全だ。

で、ひとつお願いがある。PC の電源切らないで・・・プチ。
by toshirin_h | 2005-03-18 00:38